数多有る漢字ですが、本当に色んな種類の漢字があります。
その成り立ちや用法によって、6つに分類されます。
これを“六書”(りくしょ)と言います。
六書を構成するのは次の六つです。
象形・指事・形声・会意・転注・仮借
今回はこの六書について、まとめてみます。
【象形】
象形は、形を象る(かたどる)と書くように、その物の形を絵のように象って字にしたものです。
日・月・水・手・足・口などがあります。犬や鳥などの動物を表す漢字も象形文字が多いです。
古代エジプトのヒエログリフも象形ですね。
【指事】
事柄や数など、抽象的な概念を、点や線の組み合わせて記号化して字にしたものです。
代表的なものとして、上・中・下・一・ニ・三などです。
【形声】
形声はいくつかの漢字を結合し、一方を発音の記号、他方を意味の記号として、全体の字の意味を導き出すものです。
私の“漢字の因数分解”で最も多く登場する漢字の種類です。
さんずい(水)+可(カ)=河
といった具合です。
【会意】
会意は、いくつかの漢字を結合し、それらの意味を合わせて全体の字の意味を導き出すものです。
人+言=信
といった具合です。
偏と旁があるのは形声と同じですが、字の意味を導き出す方法が違いますね。
【転注】
転注は、ある漢字の本来の意味を、他に似ている意味に転用することです。
「わるい」という意味を持つ「悪(アク)」を、「憎む」という意味に使うことなどがその例です。
この「憎む」という意味で「悪」を使う場合は(ヲ)と字音が変わるのが普通です。
【仮借】
仮借(かしゃ・かしゃく)は、ある概念や事物を表す漢字がない場合、本来の意味と違う同音の他の漢字を借りて当てたものを言います。
例として、元々食べ物を盛る器という意味の「豆(トウ)」を「まめ」という意味に用いることなどがあります。
漢字の成り立ちを知る上で、このような漢字の分類を知っておくと、漢字の理解がより一層深まって楽しいですね。
“漢字の因数分解”をする時は、この六書もご紹介していきますね!