以前から私の作品を気に入って下さっている貴宏様から命名書のご依頼を頂きまして、先日お渡し致しました。
久しぶりの命名書作成となりましたが、二つ返事でお受けしました。
2月生まれの女の子の命名書ですが、2月はちょうど春を告げる梅の花が見頃を迎えるので、少し薄めた墨で幹や枝を描き、和柄の折り紙をパンチで型抜きした梅の花を添えてみました。
私の命名書は楷書で書くのですが、楷書は誤魔化しが利かない書体で、本当に集中力が必要なので、自分の気持ちを落ち着かせて、筆先に神経を集中して書き上げました。
お名前の由来を伺ったのですが、「真珠の様な美しさと、ふるさとの様な包み込むような優しさを持った子に育ってくれたらという思いを込めました。」とのことでした。
お名前に使った【珠】と【里】の意味を調べた上で命名されたそうですが、せっかくなので、【珠】と【里】を因数分解してみました。
【珠】という漢字は、真珠や美しいものの例えや形容の意味を持っています。
この漢字を因数分解すると、左の【王(玉)おうへん】は『玉』を意味します。そして右の【朱】は、『木の切り口の美しい赤』という意味を持っている音符です。
音符が付くので形声文字ということになりますね。
形声文字についてはこちら
したがって美しい玉・真珠を表しています。
一方の【里】という漢字は、文字通り『さと』や『いなか』という意味や道のりの単位としても使われていました。
この漢字をを因数分解すると、上の【田】と下の【土】で構成されている会意文字です。
会意文字についてはこちら
【田】は整理された生産地の象形文字で、【土】は土地神をまつる祠の象形です。
したがって、『土地神のほこらのある里』の意味を表しています。
また、【里】を音符に含む《理》や《裏》などの形声文字には、『整ったすじ』の意味を共有しているのだそうです。
【珠】と【里】を組み合わせると、真珠が真っ直ぐな光を放っている様子、といったところでしょうか。
貴宏様に命名書をお渡しした際、「最初観た時の感動は例えるなら初恋のようなドキドキ感✨💓一目惚れでした💕」
という嬉しいご感想を頂きました。
命名書をご検討の方で、この記事をご覧になった方がいらっしゃいましたら、お問い合わせ下さいね。