いつもライブ配信を見て下さる方々から、ご自分のお名前の漢字を書いて欲しいというリクエストをよく頂きます。
その中から今回は【慶】の因数分解をしてみますね!
お名前に使われる時の読みは『けい・ちか・のり・みち・やす・よし』があります。
よろこぶ・祝うという意味や、「慶雲」という風に縁起が良い、等の意味がある会意文字(会意文字についてはこちら)ですが、どんな由来があるのか紐解いてみましょう。
【慶】という漢字は、“廌”・“心”・“夊”の三つに分けることができます。
“廌(たい)”は日本人の私達には慣れない漢字ですね。
私も調べてみて初めて知りました。
“鹿”と“馬”を合わせたような漢字ですが、更にこの“廌”を調べてみると、解廌(かいたい)という鹿や牛・羊に似た一角獣の象形文字だということが分かりました。
象形文字についてはこちら
解廌は「裁判をする時に不直(正直でない)なる者に触らせる」と、悪者を指摘する裁判官のような役割をする聖獣と言われ、日本の狛犬の起源とも言われています。
【慶】に使われる時に字の一部が省略されています。
次に“心”は、本来心臓の象形ですが、ここでは勝訴した時の飾りの象形なのだそうです。
一つの漢字の一部として使われる場合、本来の意味と違う意味になる。
これも漢字の面白いところです。
最後の“夊(すいにょう)”は足跡の象形で、行くという意味を持っています。
よって、この三つのパーツの意味を改めて組み合わせると、裁判で勝訴した人の喜びをお祝いに行く、といったところでしょうか。
現代においては結婚などのお祝い事でよく目にする【慶】という漢字ですが、元々は裁判に関係する漢字だったというのは驚きました。