今回の因数分解のお題は【漆】です。
お名前にこの漢字が使われている方もいらっしゃいますね。
ご自分のお名前の漢字の由来を確認する機会になれば嬉しいです。
【漆】の漢字はさんずいと右側の音符「シツ」に分かれますので、形声文字に分類されます。
※形声文字についてはこちら
さんずいは皆さんご存知の通り“水”に関する部首ですね。
一方の音符の「シツ」はと言うと、まさしく“うるし”の意味です。
さんずいが付くことでどんな意味になるかと言うと、何と中国の陝西(せんせい)省にある川の名前になるんです!
黄河の支流の一つ、渭水(最近では渭河と表記されるようです)に合流する川だそうです。
【漆】から川の名前が出てくるとは思いもしませんでした!
もちろん、私達がよく知っている“塗料のうるし”の意味も持っています。
うるしも液体ですから、さんずいの“水”が付いているのは納得です。
塗料のうるしに関連して、“うるしの木”そのものを表していたり、うるしのように“黒い”という意味も持っています。
【漆黒】という言葉の通り、うるしの艶のある“黒”が目に浮かびます。
更には、【漆】の俗字である【柒】は数字の【七】の代わりに使われることがあるんです。
【漆】に俗字の【柒】があるということも今回の因数分解で知ることができました。
【七】の代用として使われるのは、金銭の記載に関して、文字の改変を防ぐ為に用いられることがあるそうです。
よくよく見れば、少し線を書き足して【五】に代えられそうな気がしますね。
現代においては手書きで金銭の記載をすることは少なくなってきたので、なかなか馴染みが薄いですが、約束手形や小切手、領収書の金額を記載する時に用いられていたのでしょうね。
また、台湾にお住いの日本人の方から教えて頂いたのですが、台湾では漢数字の7は【柒】を使うそうです。
毎回新たな発見や驚きがあって、漢字は本当に面白いし、奥が深い文字です!
次回はどんな発見があるのか、とても楽しみです!!